16項目のカリキュラム作成原則③

読解カリキュラムに意図的な練習(deliberate practice)を取り入れること

今回はP435の表19-2、3項目目の原則である「意図的な練習」の必要性について、筆者が述べていることを整理してから、考察する。

(要点)

多くの読解練習の特徴は、偶発的かつ暗黙的で表面的な練習問題の繰り返しが多いと筆者は述べている。高度な専門性を備えた読解力の養成には、読解用テキストの練習問題だけでは不十分で、大量の意図的な練習が必要だとしている。

意図的な練習の特徴は、実は教育の専門家にとっても新しい考え方である。これは読解のみならず、高度なスキルを発達させるなどの、より一般的な学習に焦点が当てられたもので、認知心理学の概念であるということだ。

意図的な練習のためには、明確な学習のゴール及びそれをさらに具体化したサブゴールが必要である。各サブゴールに到達するための細かいルーチンが段階的に順序立てられて配置されなければならないと述べられている。

同時に知識豊富なコーチによるフィードバックがなされ、それに対するリアクションとともに学習者の努力が継続的に調整されていく必要があるとのことだ。そして、学習者は練習の意図と価値をよく理解し、練習に集中して取り組み、自己をモニタリングしながらスキルを改善していくことが求められると筆者は述べている。

今回読んだところからの考察

読解のスキルを養成するためには「意図的な練習」が必要だということを改めて認識した。ここで難しいのは、教室でこの練習をどのように取り入れていくかということだ。何よりも練習を実行するためには、体系的な教材の準備が必要である。日本語教育の読解教材にはさまざまなものがあるが、読解スキルのある一つの側面にフォーカスしてそのスキルを養成するために順序だてられた十分な量の練習をするためのテキストは、あまり多いとは言えない。

さらにここで述べられている熟練した教師による的確なフィードバックのためには、クラスを担当する教師が一貫した指導が可能になるようにしていく必要があるだろう。読解に比べると、初級文法の教え方はガイドブックやノウハウなどが一般的に共有されていることが多い。一方、読解の教え方については筆者が述べているように表面的なものにとどまっているのではないだろうか。筆者が述べていたように、読んだ結果を学習者に確認する作業でばなく、どうやって読めばいいのかを教えるという視点を踏まえ、勉強していきたいと思う。

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